教えてくれたのは…
東海大学理学部化学科教授
関根 嘉香 先生
皮膚ガスとは、年齢や性別に関係なく人間の皮膚全体から出ている微量のガスのこと。「表面反応由来」「汗腺由来」「血液由来」の3つのルートで発生し、嗅覚まで達したこのガスを、私たちは体臭として認識しているのです。
表面反応由来:汗や皮脂が皮膚表面の常在菌や紫外線に分解・酸化されて発生。
汗腺由来:血液から汗腺などを経由して発生。主なニオイ成分は発汗や代謝による酢酸。
血液由来:血液中の成分が皮膚表面から揮発し発生。疲労臭や酒臭、ダイエット臭がある。
「アンモニア」が主成分のツンとしたニオイ。血液由来で発生する。
汗の分解物である「イソ吉草酸」がもとの酸っぱいニオイ。表面反応由来。
男性に多い「ジアセチル」が主成分のチーズのようなニオイ。表面反応由来。
枯れ草のようなニオイで、皮脂がもとの「2-ノネナール」が原因。表面反応由来。
皮膚ガスの中でも厄介なのが血液由来のニオイ。体内から染み出てくるため洗っても落とすことができません。特に疲労臭は、老若男女問わず多忙で心身ともに疲れている人に気をつけてほしいニオイです。