教えてくれたのは…
TBCグループ株式会社 ビューティ&ライフ研究所 管理栄養士
小塚 尚子
「寝つきが悪い」「こころの疲れを感じる」「イライラする」…こんなお悩みはありませんか?もしかしたら、それらのお悩みには、自律神経の働きが関係していることも!?
自律神経とは、代謝や体温などの機能を24時間体制でコントロールする神経のこと。自律神経は交感神経と副交感神経のバランスで成り立っています。ストレスを感じたり不規則な生活をしていると、交感神経が優位に作用し続けるため、自律神経のバランスが崩れて、さまざまな悩みを引き起こしてしまいます。
自律神経のバランスが整うと、こんなに良いことが!
体をリラックスさせる副交感神経の働きで、寝つきが良くなるなど睡眠の質が改善する。
ストレスが軽減することで、それが一因の精神的な疲労感が緩和される。
睡眠の質が上がることで成長ホルモンの分泌が増えたり、ストレス軽減によって肌トラブルを防ぐ。
認知機能に影響を与えるコルチゾールの増加を防ぎ、記憶力を維持できる。
食欲を調整する神経が正常に働き、満腹感を増強するため食べ過ぎを防止できる。
GABAとは、アミノ酸の一種であるγ-アミノ酪酸(Gamma aminobutyric acid)のことで、哺乳動物や植物に存在する成分です。人間の脳内で主要な抑制性神経伝達物質として重要な役割をもつGABAは、脳内のエネルギー代謝を活性化させて脳機能を改善します。
交感神経と副交感神経のどちらかの活動が過剰になったり低下したりすると、自律神経のバランスが崩れてしまいます。GABAは交感神経と副交感神経それぞれに働きかけ、自律神経のバランスを整えてくれます。
睡眠不足やストレスを受けやすい環境下では、GABAが減少してしまい足りなくなる傾向にあります。最適な環境づくりのほか、食品やサプリメントなどでの摂取がおすすめです。
発芽玄米、トマト・なすなどの野菜、メロン・ブドウ・バナナなどの果物、納豆や漬物などの発酵食品に多く含まれます。水溶性の性質があるので、ゆでる場合は成分が溶け出したスープも残さず飲むとより効果的です。
明確な摂取量の基準はありませんが、1日に30~100mgが目安とされています。
※服薬中の方は摂取について医師や薬剤師へご相談ください。
食品やサプリメントからとる場合は医薬品のような即効性がないため、一定期間継続して摂取することが望ましいです。
「ビタミンB6」がおすすめ。赤身肉やマグロなどに多く含まれる成分で、たんぱく質をアミノ酸に分解するのを助け、GABAなどの神経伝達物質の合成を促進します。
食品やサプリメントでGABAを積極的にとり入れましょう!
※イラストはイメージです。