体の中で最も多くの老廃物を排出できるのが便です。便で腸内の老廃物がスムーズに排出されると、こんな効果が期待できます。
・お腹周りがすっきり:便によるお腹のハリがなくなる
・肌荒れや吹き出物の改善へ:肌トラブルを引き起こす腸内の悪玉菌の増加を防ぐ
・体臭や口臭の不安軽減へ:便から発生するガスを抑える
・風邪やウイルスへの抵抗力アップ:免疫細胞の約7割が腸内に存在し、腸内環境が整うことで免疫細胞が活性化する など
便をスムーズに排出することは、美しくすこやかな体をキープするために欠かせない習慣なのです。
食べ物が体内を通って便として出るまでの仕組みを見ていきましょう。

この流れがスムーズに行なわれるためには、特に腸の機能を低下させないことが大切です。
多くの人の悩みでもある「便秘」は、便が腸内に溜まっている状態のことです。そんな便秘の主な原因は次の3つ。
・不溶性食物繊維は、便のかさを増やして腸を刺激し排出を促します。不足すると便の量が減って便意がもよおしにくくなるのです。
・水溶性食物繊維は、水に溶けて便を柔らかくし排出しやすくします。不足すると便は硬くなり排出しにくくなります。
水分は便を柔らかくし、スムーズに排出させる大切な要素です。体内の水分が不足すると、便から水分を再吸収してしまい、便は硬くなり排出が難しくなるのです。
腸内では、腸の壁にある筋肉が波のように収縮・弛緩をくり返すぜんどう運動によって便を移動させています。その動きが低下すると便が腸内にとどまってしまいます。
便を溜めないことが美容と健康につながります。便をスムーズに出せる体にしてすっきり習慣を目指しましょう!
教えてくれたのは…
東北大学名誉教授、山形県立保健医療大学理事長・学長
上月正博 先生
※イラストはイメージです。
便に含まれる老廃物は長く腸内にとどまると腐敗し、悪玉菌を増やしてしまいます。すると便秘の状態がさらに続いたり、免疫力の低下など、体調不良の原因にもなります。便秘が続く場合は、下剤を使用してでも出したほうがいい場合もあります。ただし、常用は避け、医師に相談をしましょう。