教えてくれたのは…
中野ジェームズ修一 先生
仕事で毎日グッタリ、少し歩いただけでクタクタ、家にいるだけなのに気が重い…。これまでと同じようなことをしてすごしているのにもかかわらず、なんとなく体が重く感じたり、億劫に思ったり…。そんなとき「体力が落ちたなぁ」と感じるのではないでしょうか。
普段何気なく使っている「体力」という言葉。これは、さまざまな力が融合した総合力のことです。
専門的にいうと、図にあるように「行動体力」と「防衛体力」という2つの力によって体力は構成されています。
行動体力と防衛体力は、車の両輪のような関係にあります。どちらか片方がなければ動くことができず、相互に連携してフォローアップし合う関係です。そのため、行動体力をつけると、それに伴い防衛体力も向上します。また、防衛体力を整えることで、行動体力はさらに高まります。
そこで大切なのが運動をして体力をアップさせること。女性は習慣的に運動をしている人が少ないといわれていますので、適度な運動を習慣として行なうようにしましょう。
実際に体を動かし、行動するための能力。筋力や瞬発力といった行動を起こす能力、運動を長く続けるための持久力、バランス能力や柔軟性、敏捷性(びんしょうせい)、目的に合わせて巧みに動く巧緻性(こうちせい)といった力がある。
細菌やウイルスといった病原菌から体を守る免疫力や抵抗力。加えて急激な気候変化や不眠や疲労、精神的ストレスなどに抵抗したり適応したりして体を守る能力。
体力が低下しているときに、人間関係などによるストレス、仕事のプレッシャーやオーバーワーク、過剰な運動などが加わることで、心身ともに疲れが溜まってしまい、疲れやすい体に。そうすると体を動かさなくなり、ますます体力が低下します。
今までと変わらない運動量なのに息が切れたり、活動を億劫に感じたり、体力の低下を実感…。それは、それまで行なっていた運動を止めたり、体を動かす機会が減ったりしたことによる、活動量の減少から起こります。
体力が低下し、筋肉量が減ると、体が重たく感じるように。特に体を支え、動かす役割を担う下半身の筋肉量が減ると、少ない筋肉で同じ体重を支えるため、より重たく感じて疲れやすくなります。
体が疲れていると、行動がつい省エネモードになり、エレベーターやタクシーなどラクな手段を選びがち。すると運動量が減り筋肉量がますます減少。脂肪が燃焼されないので体重も増え、さらに体を動かさなくなります。
この悪循環を断つポイントは「筋肉」にあります。筋肉は体を動かす、支える、代謝を上げるなどの重要な働きをしています。また、筋肉を柔らかくすることで可動域が広くなるため、スムーズに体を動かすことができるのです。
そのため疲れにくい体にするには、筋肉と柔軟性をつけることが大切。特に下半身の筋肉強化が重要です。下半身には大きな筋肉が集まっているため、重点的に鍛えることで効率良く疲れにくい体をつくることができるのです。ぜひ下半身を鍛える運動を習慣化しましょう。
※イラストはイメージです。