教えてくれたのは…
きたにし耳鼻咽喉科 院長
北西 剛 先生
若い世代の人で耳が聞こえにくくなる原因のひとつに「耳疲労」があります。体の他の部位と比べ、耳が疲れていることは気がつきにくく、どう疲れているのかピンとこないもの。さらに、スマホなどのデジタル機器の普及により、イヤホンを使用する機会が多くなりました。それにより、長い時間大音量で聴くことが増え、知らず知らずのうちに耳に負担をかけてしまうことで耳疲労につながります。他にも、耳元で長時間ヘアドライヤーを使うこと、交通機関の音など、日常生活にあふれる騒音環境も原因に。また、ストレスや気圧の変化も耳に影響を与えているため、気をつけてあげたいところです。
耳は外耳、中耳、内耳の3つの部分からなり、外耳と中耳は音を伝える「伝音部分」、内耳は音を感じる「感音部分」として働いています。
音はまず耳の形をしている耳介(じかい)で集められ、外耳道を通り鼓膜に到達。鼓膜が振動し、その振動を耳小骨(じしょうこつ)が増幅させ、内耳の蝸牛(かぎゅう)へ。蝸牛で振動は電気信号に変わり、聴こえの神経を通じて脳に送られることで音として認識されます。
聞こえにくくなる原因はいくつかあり、伝音部分と感音部分で原因は異なります。伝音部分は耳垢や中耳炎の他、最近では長時間大きな音を聞き続けることで耳小骨の周りの筋肉が過剰に働き、支障をきたすことも多いです。
感音部分の不調の原因としては、ストレスが溜まると内耳のリンパ液の循環がうまくいかず音の伝わり方に影響を与えたり、エレベーターで上昇するときなどに起こる気圧の変化で、外耳と内耳の圧力に差が生じ、音が正常に伝わらなくなることが挙げられます。
耳は24時間ずっと無意識に働き続けているからこそ、日頃から耳にかかる負担について意識する必要があります。
音量を下げ長時間の使用を避ける。スマホによっては音量を制限する設定ができる場合があるので、活用するのもおすすめです。
音量は調節できないので、長時間の使用にならないように、タオルでしっかり髪の水気をとって乾かす時間を短くする。
しっかり休息をとったり、自分なりのストレス解消法を行なう。
あくびをしたり唾を呑み込むことで、外耳と内耳の圧力を同じにすることができます。
※イラストはイメージです。